岩茸石山(高水三山の最高峰) ルートガイド
ルートガイド Route Guide
升が滝から岩茸石山(奥多摩・高水三山)/山女子クラブおすすめトレッキングガイド
高水三山で最も高く眺望のよい岩茸石山へのダイレクトルート
──高水三山は奥多摩エリアではもっとも東京都心から近く、初心者でも登りやすい高水山(759m)、岩茸石山(793m)、惣岳山(756m)の総称です。この三山のうち最も見晴らしのよい最高峰・岩茸石山へ、東京とは思えない清流沿いの山里・青梅市上成木から谷沿いに登る升が滝ルートは、特に新緑と花の咲き乱れる春先にはおすすめのバリエーションルートです。
山行形態:日帰り 体力グレード:★★ 技術グレード:★ 歩行時間:4時間 標高:793m 登行標高差:486m(上成木バス停・標高307mから)、下降562m(御嶽駅前標高231m) 山域:奥多摩 都道府県:東京都 地図:2万5千分の1地形図「原市場」「武蔵御岳」(国土地理院)、山と高原地図24「奥多摩」(昭文社)
登山口へのアプローチ JR青梅線「東青梅」駅から都バス➡︎「東青梅駅前」バス停から梅76甲・上成木ゆきに乗車し終点「上成木」下車。
バス時刻表 2018.5月現在(2014.4.1改正)
平日 7:36 / 10:49
土曜 7:45 / 10:35
日・休日 7:22 / 10:26
※1日2本、曜日によって時刻が異なります。
▼JR東青梅駅は奥多摩エリアとはいえ東京のベッドタウンとして都市化しています
▼目的地の上成木まで約30分、周囲は次第に深い緑に包まれていきます
▼登山口の上成木バス停。色とりどりの花が咲き乱れる情緒ある山里です
《上成木バス停から升が滝登山道入り口まで》 区間歩行時間20分 上成木バス停==20分==升が滝登山道分岐 ・トイレはバス停から250mの橋を渡った里仁会々館、升が滝登山道入り口にあります。 ・升が滝登山道入り口の簡易トイレから先はルート上にトイレがありません。 ・本来の高水山への登山道(高水山常福院への表参道)はこちらから。
▼バス停前の大きな石標に「高水三山登山口」と大書してあります
▼高水山への入り口にはふたたび古い石の道しるべがありますが
▼升が滝ルートは木の道標にしたがい、バス停からの川沿いの道路を直進します
▼バス停から250m進んだ橋に集会場「里仁会々館」のトイレ案内表示あり
▼建物の裏に外トイレのドアがあります
▼山里ののどかな風景を楽しみながら歩きます
▼集落を流れる成木川には澄んだ水に魚やカモが遊びます
▼山に入らずとも見られる白糸の滝と呼ばれる美しい滝が
▼花に彩られてきれいです
▼途中の橋を渡った対岸にある休憩処「かしわぎ」
▼セルフサービスの無人のお店ですが
▼ペットボトル飲料やカップ麺まで置いてあり便利
▼民家が少なくなりました
▼最後の民家手前を左に入るセメント舗装の道と浄水所の建物が登山道入り口
▼道標も大きく見落としはないと思います
▼ここが最後のトイレ、きれいに清掃されトイレットペーパーも
《升が滝登山道入り口から岩茸石山まで》 区間歩行時間80分 升が滝登山道入り口==5分==升が滝分岐==升が滝往復15分==升が滝分岐==10分==畠山重忠の切石==20分==わさび田跡==20分==名坂峠==10分==岩茸石山山頂 ・川沿いに登るルートです。川は上水道に取水されている大切な水です。汚さないようにしましょう。 ・升が滝への見学道は細くて崩れやすいのですれ違いには注意しましょう。 ・升が滝は50mほど下に見えます。滑落の危険があるので滝壺近くに降りることはやめましょう。 ・わさび田跡あたりからしばらくは小さな流れですが、雨が多く降ると増水する場合があります。大雨の日の登山は控えましょう。
▼東京都水道局の浄水所の脇を通る道から山に入ります
▼消えかかっていますが行き先の「名坂峠」の文字が
▼砂利の林道がしばらく続きます
▼右岸から左岸に橋を渡ります
▼橋を渡ってすぐ左に取水堰があります
▼砂利の林道から、ゆるやかな登り坂へと変化
▼次第に傾斜が増してきました
▼急な斜面を丸太の階段で登って行くと
▼右からの枝沢を急こうばいの古びた橋で渡ります
▼一段高くなった台地状の道を行きます。
▼左に岩盤上を流れる沢が見えてきたら間もなく升が滝の分岐です
▼この岩盤は滝の落ち口上部にあるので下流側は先が見えません
▼滝の見学コースは分岐から橋を渡り対岸の尾根を回り込みます
▼升が滝の見学位置まで往復10〜15分、分岐には大きな道標
▼対岸の尾根へ少し登って奥へ
▼道が行き止まりになったら、そこが滝見台。狭いので譲り合って見学しましょう
▼遠くからで小さく見えますが2段で20mあるそうです
▼升が滝を往復して分岐に戻ったら、ふたたび岩茸石山めざして登ります
▼一つ目に現れる大岩は「籠岩(カーゴ岩)」カゴの形に見えるかな?
▼二つ目の大岩は畠山重忠の「切石」
▼まんなかで真っ二つに割れています
▼鎌倉幕府の重臣、畠山重忠が一刀両断したという伝説があります
▼知られざるパワースポットです
▼危険な道ではありませんが足元に注意して進みましょう
▼谷を埋める広葉樹の緑が美しいです
▼次第に岩が多くなってきました
▼人工的な石積みが現れはじめます
▼谷は尾根に突き当たり左右に別れます
▼地形図を確認し左の谷へ踏み跡を進むと、かつてのわさび田の跡が
▼水は次第に伏流水へと変わり植林の林に
▼流れが消えたあたりで谷の右岸側に渡って登ります
▼傾斜が増して頭上が明るくなってきたら稜線が近い証拠です
▼最後の急登はつづら折れを地道に登ってクリア
▼正味1時間ほどの登りで名坂峠に着きました
▼岩茸石山の頂上も目と鼻の先ですが、一息入れましょう
▼名坂峠は黒山や棒ノ折山からの縦走ルートの通過点でもあります
▼写真の奥へ続く尾根の道が黒山、棒ノ折山、蕎麦粒山へ続くルート
▼岩茸石山山頂への最後の登り。急で細い道、木の根、岩、段差など足元注意
▼樹林が姿を消し、にわかに展望が開けます。あと一息です
▼展望のよい広々とした山頂に出ます
▼東北東は飯能、狭山、川越方面です
▼三角点です。手前が南、奥が北。いちばん手前の谷を右から登ってきました
▼西から東を見ています。右寄りの樹木越しのピークが高水山、都心方向
▼北西方向の秩父、奥多摩の山々
《岩茸石山から惣岳山へ》 区間歩行時間40分 岩茸石山山頂==10分==馬ぼとけ峠==10分==馬仏山==20分==惣岳山 ・岩茸石山から惣岳山への下りはじめがとても急です。ゆっくり慎重に下ってください。 ・馬ぼとけ峠や馬仏山のあたりはなだらかなアップダウンの連続です。 ・惣岳山山頂への最後の登りは木の根の張った岩場の登りです。注意して登りましょう。
▼道標の「御岳駅」方面へと出発します
▼右前方に川苔山や本仁田山など奥多摩の山を見ながら50mほど西に進み
▼南側の急な斜面に入ります
▼疎林を縫うようにジグザグの急坂を慎重に下ります
▼前後の人とぶつかることがないよう、間隔をとって歩くようにしましょう
▼急坂を下り切ると左から高水山からの巻き道が合流し、右へ
▼左は岩茸石山のピークを通らない高水山からの巻き道。道標をよく確認して進みます
▼馬ぼとけ峠付近はなだらかで休憩用ベンチも
▼馬仏山はルートが東側を巻いて通過します
▼振り返ると高水山がよく見えます
▼惣岳山が近づくとふたたび登りです
▼惣岳山への巻き道との分岐です。右が頂上への道、左が巻き道
▼道標にもわかりやすく書かれています
▼惣岳山頂上への道は小さな岩場があります
▼最後は急な階段登りで
▼惣岳山頂上の神社が見えてきます
▼展望がきかない寂しい感じの山頂です
▼大国主命が主祭神という青渭(あおい)神社奥宮。社殿は江戸時代(弘化2年)再建のものだとか
《惣岳山山頂からJR青梅線御嶽駅まで》 区間歩行時間90分 惣岳山山頂==10分==巻き道分岐(青渭の井)==40分==十字路==35分==JR青梅線踏切(慈恩寺・玉川屋)==5分==JR青梅線御嶽駅 ・惣岳山から十字路までは青渭神社に所縁ある真名井やご神木があります ・正規ルート以外にも多数の踏み跡や杣道があるので、道標をよく見て道を間違えないようにしましょう。 ・御嶽駅手前のそば処「玉川屋」は下山の空腹時にはとても魅力的
▼踏み跡を辿って下ります
▼巻き道との合流分岐
▼青渭の井と呼ばれる霊泉 パワーを感じます
▼下りでは間違いにくいが、登りで道標を見落とすと間違えそうな踏み跡が
▼植林の中にひときわ大きな杉の木があったので近づいてみると
▼手入れはされていないようですが、歴史を感じます
▼御神木以外にも杉の巨木が点在しています
▼緩い下りが続き送電線を潜ると十字路と呼ばれる分岐に。御嶽駅は直進
▼また少し登り返します
▼二つ目の登り返しの先に大きな岩が目印の412mの独標。その先を左へ
▼送電線の鉄塔脇を通過してどんどん下ります
▼右手に街が見えてきました
▼急な坂をひと頑張り下ると
▼竹やぶが現れ慈恩寺の境内へと下山
▼JR青梅線の線路を渡ればもう駅です
▼踏切の正面においしそうな手打ちそば「玉川屋」があります
▼自分へのご褒美においしいお蕎麦を食べて帰るのもいいでしょう
▼踏切から徒歩3分でゴールのJR御嶽駅です
ポイント:高水三山という名前からどうしても3つ登らなければならないようなイメージを持ちます。このルートは高水山を通りませんが、美しい山里の上成木を起点に、三山でもっとも眺望の良い岩茸石山に登れる魅力的なルートです。 おねがい:ガイドの詳細情報は取材当時のもので、可能な限り更新してく予定ですが、読者の登山計画に対する責任を負うものではありません。ルートの状況は時間とともに変化していくものとご理解のうえで、必要に応じて他のガイド情報や現地に問い合わせるなどして、実際の登山は自己責任で実施してください。
2018.5.6踏査