伊豆ヶ岳から子ノ権現 ルートガイド

ルートガイド Route Guide


奥武蔵・伊豆ヶ岳から子の権現/山女子クラブおすすめトレッキングガイド

駅からすぐスタートできる手軽さが人気の奥武蔵を代表する山

──奥武蔵山域は埼玉県南西部に位置する山岳・丘陵地帯で県立奥武蔵自然公園として、登山道もよく整備されています。とりわけ西武秩父線沿線は正丸峠や伊豆ヶ岳など駅からすぐに登れるコースが多い人気のエリアで休日ともなれば多数の登山者が訪れます。人気の高い伊豆ヶ岳をスタートに足腰守護の神仏「子の権現」まで越えてゆくこのルートは10kmを超える健脚向きのコースです。

山行形態:日帰り
体力グレード:★★★    技術グレード:★★
歩行時間:6時間
標高:851m
登行標高差:551m(正丸駅・標高300mから)、下降666m(吾野駅標高185m)
山域:奥武蔵
都道府県:埼玉県
地図:2万5千分の1地形図「正丸峠」「原市場」(国土地理院)、山と高原地図22「奥武蔵・秩父」(昭文社)


登山口へのアプローチ 西武秩父線 正丸駅 下車。

 

▼正丸駅は山間の駅ながら、デザインが斬新で近代的な印象です

▼トイレは駅に向かって右手。歩き始めたら子の権現までしばらくトイレはありません

▼駅前の売店はみやげもの、お菓子、飲み物、立ち食いそばなど。朝8:30から


《正丸駅から馬頭さま(伊豆ヶ岳登山口)まで》 区間歩行時間25分
正丸駅==25分==馬頭さま(伊豆ヶ岳登山口)
・公衆トイレは子の権現までありません。正丸駅で済ませましょう。
・徒歩5〜6分の鈴木屋では山バッジを売っています。
・徒歩15分ほどの「御休処中丸屋」さんでは手作りまんじゅうや田舎すいとんが食べられます。

▼出発前にはトイレだけでなく、準備運動もしっかりと

▼駅左から案内板にしたがって階段を下ります

▼階段の先の突き当たりで道標にしたがい右へ

▼階段を下った理由は線路の下をくぐるためでした

▼道路の左に川、右手の民家の花など楽しみながらの道路歩き

▼付近一帯の山バッジがいろいろ売られています

▼山バッジを売っている鈴木屋さんは駅から400mほど

▼安産地蔵尊、ここで登山口までの半分くらい

▼うどんやすいとんが食べられるほか、手作りの饅頭なども売る中丸屋。行動食に

▼2つ目の右カーブ左に道標と馬頭さまがあります

▼道標に伊豆ヶ岳の文字がなく少々迷いますが伊豆ヶ岳へ直接登る道はここです

▼この日はガマが馬頭さまをお守りしていました


《馬頭さま(伊豆ヶ岳登山口)から五輪山まで》 区間歩行時間60分
馬頭さま==10分==大蔵山コース・実谷のふたまた==30分==支尾根の肩==20分==五輪山
・伊豆ヶ岳への最短ルートは、登りルートとしては紹介されていないため、関東ふれあいの道や名栗げんきプラザの道標には表記されていません。地図でよく確認しながら進みましょう。
・名栗げんきプラザの大蔵山コースは正丸峠寄りに稜線に上がります。近道はそのまま谷沿いに進みます。
・支尾根の登りの途中に傾斜のゆるい岩場があります。歩きにくいので足元に注意しましょう。
・五輪山にはベンチもあり、ゆっくり休憩するには良い場所です。

▼伊豆ヶ岳への最短ルートは左の「大蔵山コース」方面へ。車道の先は正丸峠方面です。

▼関東ふれあいの道は正丸峠を経由するので、ここには伊豆ヶ岳の表示がありません

▼というわけで、車道から左へ入り、馬頭さまの前を横切って奥の山道に進みます

▼小さな沢の左岸を進みます

▼名栗げんきプラザへのルートとはここで分かれます。さらに沢沿いに直進

▼流れの右岸に渡ってさらに登ります

▼次第に尾根に向かって登りはじめ、傾斜が増してきます

▼間伐された丸太などに注意しながら急な坂を登ります

▼急な斜面に切られたジグザグの道で高度を稼ぎます

▼杉の植林を抜け広葉樹の疎林に

▼広い尾根の肩に登り着きました。ちょっと一息

▼ふたたび植林になり、尾根上をまっすぐ登り続けます

▼道にゴツゴツと岩が混じってきました。木の根もあるので足元注意

▼振り返ると意外にひらけている樹間から奥武蔵の山々が見えます

▼ほどなく稜線に飛び出します

▼登ってきた尾根の頭は稜線上の小さなピークになっていました。写真の奥から登ってきました

▼地図にはない小さなピークは五輪山と呼ばれています


《五輪山から伊豆ヶ岳へ》 区間歩行時間30分
五輪山==5分==男坂基部分岐==20分==男坂上部分岐==5分==伊豆ヶ岳
【男坂の通行について】
男坂は高さ30mほどのクサリ場です。落石の危険があるため、地元の飯能観光協会では通行禁止としています。しかし、関東ふれあいの道を所管する環境省・埼玉県では通行禁止とは明記しておらず、現地も岩場の基部に女坂を通行するよう書かれてはいますが、通行禁止の文字はなくロープも張られていません。クサリもしっかり取り付けられており、使用に問題は無いと思われます。一方、上部側には完全にロープが張られて、迂回路が示され、より規制を強くアピールしています。山女子クラブでは原則的に女坂の通行を支持しますが、違法とまでは言えない管理体制である以上、登山行為は自己責任によるものであり、自由も尊重されるべきと考えます。ここではあえて男坂の状況を紹介していますが、これはあくまでも参考として状況を伝える目的であり、通行を奨励するものではありません。特に岩場は上りは容易でも下りは非常に危険です。現地の状況も上部が、より規制の色合いが濃いことは下山ルートとしての使用を固く禁止していると解釈できます。登りに関してはグレーゾーンで、事故が起きたら自己責任だということを示す意味合いが強く感じられます。最も危険なのは経験不足による人為事故です。落石は絶対にしない。もし落石を起こしたら大声で周囲に注意を促す。先行者がいる時は岩場の下に入らない。など岩登りの基礎知識と技術を理解していない者の通行は他人の安全をも脅かし非常に危険であることを明記しておきます。

・男坂は原則通行禁止。従来の女坂も崩落のため、現在は迂回路が設けられ正規ルートとされています。
・迂回路も非常に傾斜が急なうえ、滑りやすい道です。落石はもちろんのこと、前後の間隔に注意して、お互いに衝突することのないよう、譲り合って注意しながら歩きましょう。

▼道標の示す「伊豆ヶ岳」方面へと少し下ります

▼下りきった目の前が男坂、右下に女坂(迂回路)への分岐と道標があります

▼女坂は右だということを示しています

▼裏側はまっすぐ進めばクサリ場を経て伊豆ヶ岳だということを示しています

▼通行禁止の文字はなく、あくまでも勧告として解釈でき、登っていいのか悪いのか迷います

▼規制ロープも無いので危険だというクサリ場中央付近を偵察しにとりあえず基部へ

▼岩壁は掃除したみたいにスッキリと岩クズの堆積もなく自然落石はありえない

▼さらに調査すると、クサリも非常にしっかりしており老朽化は見られませんでした

▼ホールド、スタンスとも豊富でクサリに頼らずとも正しい技術があれば難易度は低い岩場です

▼とは言え、人為落石の可能性はあり、このように不用意に後続してくる人がいると危険大

▼絶対の安全などありません。自分だけでなく他者の安全まで考慮するが自己責任です

▼岩場上部の男坂と女坂の分岐です。ロープで厳重に立ち入りを規制しています

▼岩場上部の分岐から伊豆ヶ岳山頂広場はすぐです

▼木陰のできる広場になっていて、思いおもいに休憩しているハイカーでいっぱい(2017.5撮影)

▼中央の大岩には、この地で50年前に茶屋を開いていたおばあさんのレリーフが

▼国と県の大きな頂上標示板は三角点(左下)のそばに

▼こちらは最も高いと思われる岩の上に建てられた石造りの標柱です

▼どちらで記念写真を撮るか迷いますが、このルートでの最高地点には違いありません

▼山頂は花木がたくさんあり、それぞれの季節に目を楽しませてくれます

▼間も無く開花しそうなムラサキツツジ

▼アセビ


《伊豆ヶ岳山頂から天目指峠まで》 区間歩行時間90分
伊豆ヶ岳山頂==20分==古御岳==30分==高畑山==20分==中ノ沢ノ頭==20分==天目指峠
・道標に「子の権現」の表記はなかなか出てきません。天目指峠を目指しましょう。
・天目指峠までほとんどは下りが続きます。足を傷めないよう靴ヒモをチェックしましょう。
・中ノ沢ノ頭(イモグナの頭)は巻き道がありますが、ピークに三角点があるので登ってみましょう。
・天目指峠は林道を横断します。車に気をつけましょう。

▼伊豆ヶ岳から一気に100m下ります。滑りやすい箇所もあり注意が必要です

▼下り始めて間も無くの山伏峠との分岐、ここは天目指峠方面へ

▼ふたたび70mほど登り返すと

▼東屋のある「古御岳」です。落ち着いた雰囲気で休憩にはよい場所です

▼グングン高度を下げては少し登り返すアップダウンを繰り返し

▼平らになってきたあたりに子ノ権現と書かれた道標があり元気が出ます

▼高畑山です。もう標高700mを切りました

▼高畑山を過ぎてすぐ、地形図にある送電線をくぐります

▼しばらくはなだらかな尾根に沿って徐々に下る道が続きます

▼思い出したように大きな道標があり、この先で道が二股になっています

▼二股に小さな道標があります。この622.7mの中ノ沢ノ頭を通る道の方が明瞭です

▼登山地図で「中ノ沢ノ頭(イモグナの頭)」となっている三角点

▼中ノ沢ノ頭を過ぎて巻き道との合流点で振り返る。右が巻き道

▼関東ふれあいの道は巻き道をルートとしているようです

▼中ノ沢ノ頭から500mほど先の道標。左に林業の作業道が見え、ルートは右の尾根へ

▼出だしは急な下りですがあとはなだらかに天目指峠まで続く尾根です

▼最後は木の階段で峠に降り立ちます

▼関東ふれあいの道はここで初めて「子の権現」の文字が登場


《天目指峠から子の権現まで》 区間歩行時間60分
天目指峠==50分==愛宕山==10分==子の権現
・天目指峠からの登り返しはアップダウンを繰り返す最後の頑張りどころです。焦らずゆっくり登りましょう。
・子の権現は足腰守護の神仏として登山者にも人気があるようです。

▼天目指峠には竜神伝説があるそうです。鰻をとって食べたら祟りがあったとか

▼天目指峠のいわれも読み方もこれで納得。休憩しながらお勉強できます

▼急ではありませんが二度三度とアップダウンが繰り返される登りは最後の難関

▼子の権現手前で最後のピークが愛宕山。小さな祠が目印です

▼愛宕山を過ぎればもう子の権現の山内に入っています

▼境内はなだらかで広々した頂上一帯に配置されています

▼一段上がった場所に本堂があります

▼足腰守護の神仏として登山者にも人気のスポットです


《子の権現から浅見茶屋まで》 区間歩行時間30分
子の権現==10分==吾野駅への分岐==20分==浅見茶屋
・子の権現の車道、分岐からの登山道とも歩きやすい道です
・浅見茶屋は親子三代続く手打ちの武蔵野うどんのお店です。甘味メニューもあり。

▼仁王さまに見送られ参道を裏から表へと抜けていきます

▼黒門を抜けて

▼茶店の並ぶ参道の入り口には赤い鳥居があります

▼見晴台にもなっている駐車場から車道で下ります

▼舗装された車道を200mほど下ります

▼道路の右側に吾野駅方面への道標があり、そこからまた登山道へ

▼最後のおたのしみまであと25分と書いてあります

▼ここの山道は広々とした歩きやすい道です

▼さらに道標があります。迷うような場所はありません

▼最後の石の階段下りが少々辛いですが、あと少しのガマンです

▼立派な欄干の橋を渡って車道に出ます。民家が一軒

▼目的の場所までの車道歩きは長く感じてしまいます

▼やっとお目当の「浅見茶屋」に着きました。親子三代で守って来たお店

▼水曜と第4木曜定休、閉店が16時ころなので余裕を持って下山できる計画を

▼武蔵野うどんの定番「肉汁つけうどん」850円(税込)

▼キノコがたっぷり入った人気の「きのこ汁つけうどん」850円(税込)

▼「湯葉かき玉うどん」850円(税込)、まだまだメニュー豊富。甘味もあります

《浅見茶屋》 営業時間:11:00〜16:00ごろ ・TEL:042-978-0789 ・定休日:毎週水曜、第4木曜


《浅見茶屋から吾野駅まで》 区間歩行時間70分
浅見茶屋==45分==諏訪神社==25分==吾野駅
・車道歩きが続きます。時々走ってくる車に注意して歩きましょう。
・高麗川に突き当たる手前150m左手の東郷公園第1駐車場にはトイレがあります。

▼山里の古民家でいただく「浅見茶屋」の手打ちうどんで疲れた身体も元気復活

▼空腹が満たされて華を愛でる余裕も戻ります

▼吾野駅までまだ約1時間弱あります。里山の風景を楽しみながら車道を歩きます

▼大きな橋のかかった高麗川手前に道標があり右に曲がります。小さな神社があります

▼車道から線路を見下ろす崖の歩道となり駅を目指します

▼ようやく西武秩父線 吾野駅に到着です

▼改札口の左にとても綺麗な駅のトイレがあります


ポイント:関東ふれあいの道「伊豆ヶ岳を越えるみち」では吾野駅を起点、正丸駅を終点として正丸峠、伊豆ヶ岳、高畑山、天目指峠、子の権現などを縦走する14.5kmにおよぶルートとして設定されています。このガイドでは、そのコースの正丸峠をショートカットして、人気の伊豆ヶ岳からスタートし、山女子に人気のうどん店「浅見茶屋」に立ち寄ってゆっくり甘味やうどんを楽しむルートとして紹介しました。それでも歩行距離にそう大きな違いはなく、健脚向きのコースであることに違いはありません。なるべく早いスタートで時間に余裕を持った計画を立てましょう。また文中でも取り上げましたが、伊豆ヶ岳の男坂のクサリ場は封鎖されてはいないものの、奥武蔵有数の落差の大きい岩場です。ひとたび事故が起きれば他者も巻き込んで命に関わる事態を招きかねません。安易なチャレンジ精神は厳に慎みましょう。
おねがい:ガイドの情報は取材当時のもので、可能な限り更新してく予定ですが、読者の登山計画に対する責任を負うものではありません。ルートの状況は時間とともに変化していくものとご理解のうえで、必要に応じて他のガイド情報や現地に問い合わせるなどして、実際の登山は自己責任で実施してください。
2018.4.1踏査

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