Q&Aコーナー「山のお悩みなんでも相談室」〈第11回〉

「天候が急に悪化した時の対処法は?」

山にまつわる疑問、お悩み、道具や技術のこと…なんでもお答えします。
『山仙人』こと
プロガイドの小日向 孝夫 講師がお答えするQ&Aコーナーです。

ご質問・ご相談募集中! こちらの投稿フォームからたくさんの投稿お待ちしています。

<相談36>東京都 山田 征子さん 48歳 メーカー勤務
Q.登山に向けての体力作りは、どんなことをすればいいですか?

<小日向のお答え>
A.登山の体力作りの一番は、登山をすることです。登山は登りは体力、下りはテクニックと言われていますので。筋肉を付けることよりも、慣れて持久力をつける方が良いからです。お金も電車賃ぐらいしかかからない訳だから、近くの山に行って時間があったら、同じところでも何度も上り下りするのが一番いいトレーニングです。毎日でも山に行きましょう。

身近で出来る登山にいいトレーニング法としては、近くの階段をゆっくりでいいので何度でも上り下りする。出来たら登りだけ、一段とばしで登れば筋肉が付きます。下りは危ないので一段とばしはやらないほうがいいです。その時に、水を入れたペットボトルをザックに入れて背負うと効果が上がります。最初1〜2ℓから始めて、5〜10に増やしてゆくのもいいでしょう。

自宅の中でやるなら、スクワットが一番筋肉が付きます。その他、電車の中では、バランスを良くするのに効果がある、吊革につかまらないで立っているというのもいいと思います。

<相談37>神奈川県 浜野 美優紀さん 45歳 デザイナー
Q.ハイキングで下り終わったら脚が笑う感じになりました予防方法があれば知りたいです。

<小日向のお答え>
A.筋肉はいくつかの筋肉が収縮することによって力を発揮します。登りでは、曲げた関節を伸ばしていく動きが主なので、その通り筋肉は収縮しているので傷まないのですが、下りは足の筋肉にとって苦手な運動をしているのです。つまり、下りは関節を伸ばしたまま着地します。そして自分の体重と荷物とを重力に逆らいつつ支えながら関節を曲げていくので、筋肉は、伸びながら支えようと頑張ります。筋肉にとって無理で苦手な運動を知らず知らずにしているわけです。したがって、筋肉の細かい筋繊維が少しずつ傷んでいるのです。

解決法は3つです。まずは技術的には自分の足の歩幅を出来るだけ小さくして(靴の長さの半分ぐらいかそれより狭くしてもOK)、着地衝撃を和らげる。段差を少なくするために、自分から足を踏み下ろすように歩くのも有効です。もちろん、段差の少ないところを選んで歩くのも大変有効です。

次に下り専用の用具を使用する。ストックを2本使い、長めに調整し、下りの下の方へ突き、バランスを良くするのと同時に、両手で体重を支えるようにして下る。

それと、サポートタイツの使用です。これは筋肉にサポートの作用をしてくれるので大変有効です。さらにヒザ用のサポーターを併用するのも有効です。使用方法は、肌に直接サポートタイツを履き、その上にズボンをはいて、その上からヒザサポーターをするという方法です。

最後に、筋肉が傷むのだから筋肉の傷んだところを修復してくれる作用がある、筋肉の材料であるタンパク質の素「アミノ酸」を下る前に摂ると傷んだところをどんどん修復してくれます。ただし、これは一度に大量に(出来れば3000mg以上摂ると良い)摂らないと効き目が薄いです私たちはこれを、登山の3種の神器と言っています。

<相談38>神奈川県 中平 陽子さん 62歳 主婦
 Q.天候が急に悪化した時の対処法は?

<小日向のお答え>
A.天候の悪化は、あらかじめ予測しなければなりません。天気予報や天気図を事前にしっかりチェックしておけば必ず予測は出来ます。予測不能の場合はあまりないのですが、あえてお答えいたしましょう。急な雨の場合は、傘をさしたり木の下などで雨を避ける。そして、すぐにカッパの上下を着て傘をさす。その後、荷物が濡れないようにザックの中身をビニールの中に入れる。それも2重3重にした方がいい。ビニール袋は常に何枚か持っていきましょう。その後、一番近い小屋へ行くか。ただちに、安全な道を通って下山します。

これからの季節は、高い山では急な雪に気を付けなければなりませんね。雪の場合は絶対に上に行ってはいけません。登れば登るほど、気温が下がるので雪の量も多く、稜線に上がれば吹雪になります。すぐにカッパを着て、来た道を戻ります。ぐずぐずしていると、雪が積もって滑って歩けなくなるし、道もどこが道だかわからなくなります。とにかく、雪の場合は標高を下げなければなりません。いくら、あと1時間登れば山小屋というところでも、危ないです。稜線に出た途端に吹雪だと思って下さい。標高さえ下げれば、雪がみぞれに変わり、雨にもなります。そうすれば道も判るし、滑って下りられないこともありません。特にみぞれには気を付けて下さい。みぞれはカッパを通して体を濡らして、低体温症の原因になります。傘などを利用して、出来るだけ体を濡らさないようにしましょう。もうひとつ、体を冷やさないように雪が降ってきたらすぐに、防寒具は着ましょう。激しくなってからでは、着れないし着替えの最中に濡れてしまいます。悪天候には何事も素早い判断と、行動が大切です


 

関連記事

友だち追加

ギャラリー

  1. 森林限界を越えた高山では、雪と氷に支配される冬。命あるもののほとんどは、じっと春の雪解けを待つ眠りに…

オススメ記事

  1. 2018-10-30

    Q&Aコーナー「山のお悩みなんでも相談室」〈第16回〉

    「山仲間コミュニケーション術」 山にまつわる疑問、お悩み、道具や技術のこと…なんでもお答えします。…
  2. 2017-6-6

    動画で見る「山仙人」直伝!山歩きテク vol.1「登り方」

    「山仙人」小日向孝夫先生のマル秘テクニックを動画で学ぼう! 第1章・歩き方 その1 登り坂での足の…

ピックアップ記事

  1. みなさん、山のお楽しみはなんですか? 頂上で見る景色、下山後のビールと温泉なーんていう…
ページ上部へ戻る