Q&Aコーナー「山のお悩みなんでも相談室」〈第12回〉

「ポールのゴムは付けるか外すか!?」

山にまつわる疑問、お悩み、道具や技術のこと…なんでもお答えします。
『山仙人』こと
プロガイドの小日向 孝夫 講師がお答えするQ&Aコーナーです。

ご質問・ご相談募集中! こちらの投稿フォームからたくさんの投稿お待ちしています。

<相談39>東京都 櫻田 葉子さん 40歳 主婦
Q.雨具はいいものをと思ってゴアテックスの上下を揃えて使っています。夏に雨に濡れたり汗をかいたりするうち、生地が水をはじかなくなって浸み込むようになってしまいました。なんだか、中まで濡れてしまうようになった気もします。もう寿命なんでしょうか? ゴアテックスの雨具を長持ちさせる方法があったら教えていただきたいです。

<小日向のお答え>
A.ゴアテックス等の防水透湿の雨具は、2つの機能を持っています。1つは雨具の内側で人間がかく汗の素になる水蒸気を、外側に出す働き。もうひとつは外側から降る雨の水滴や風を遮断する働きです。これらの機能はゴアテックスのその繊維に、目に見えない小さな穴があいていて、その穴より細かい水蒸気は外に出し、雨粒等の大きい粒子は通さないという働きで可能にしています。

ところが、たとえゴアテックスでも使っていれば性能は落ちます。なぜ性能が落ちるかというと、内側の細かい穴に人間の出す水蒸気に混じって脂分などが付いて細かい穴が詰まること。そして、外側はゴアテックスの外側の生地に加工してある水をはじく撥水性能が落ちてしまうからです。つまり、雨具も4~5回に1回くらいはメンテナンスをしなければ、性能は落ちるのです。

このメンテナンスには二クワックス(NIKWAX)などの、撥水機能ケア専用のケミカル用品を使うことです。まず外側の汚れや内側の脂分などを、二クワックスの洗濯用洗剤で洗います。その後、撥水剤の入った二クワックスを入れ、しばらく浸けたら、脱水せずそのまま乾かせば、性能は回復します。

<相談40>千葉県 山口 紗江さん 38歳 会社員
Q.トレッキングポールの先にゴムがついていますが、いつもつけたまま使っていました。ところがいつの間にか片方無くしてしまって、金属のスパイクみたいな先のまま歩いています。ところが思ったよりゴムをつけないほうが岩でも土でも滑ったりせず、使いやすいと感じました。ポールの先のゴムはつけたまま使うのが正しいのでしょうか。それとも、外して使うのが正しいのでしょうか?

<小日向のお答え>
A.ストックのピック(石突き)はゴムを付けたまま使うのが正しい使い方です。

理由は金属の石突きは雪や氷、滑りやすい土の斜面などで使うものだからです。いつも金属のピックで歩いていると、先が減って肝心の時に刺さらなかったりして、役に立たなくなるし普通の状態のところでは、先の金属が土を掘り返したり、木道などに穴をあけてしまったりして、自然破壊をしてしまうからです。

先のゴムをなくしてしまうのは、ゴムがゆるんだり、土に入って中に残ってしまったりと、いつの間にかなくなってしまうから注意が必要です。山での落し物で、一番多いのは先ゴムなのです。

それを防ぐには、先ゴムをテーピングテープやビニールテープなどでストックの石突きに固定してしまうと良いです。雪の斜面などで、必要な時はテープを剥がせば、ゴムが外せるので、ゴムをポケット入れれば金属の部分が役に立つというわけです。ですから、ふたたび使うにはテーピングテープはいつも持っていた方がいいということになりますよね。

<相談41>東京都 吉田 美希さん 55歳 パート
 Q.東京から行ける、初心者でも日帰りで登れる紅葉の美しい山のオススメはありますか? 高尾山や奥多摩はもう登ってしまいましたので、それ以外であればお願いします。

<小日向のお答え>
A.紅葉とは富士山やアルプスなどの高い山の頂上付近では、木がないので起こりません。しかも、紅葉は広葉樹でないと起こりません。針葉樹でもカラマツだけは落葉します。つまり森林限界(およそ2,400~2,500m以上)は、東京周辺の山にはありませんので、ほとんどの山では紅葉が見られます。

紅葉は気温が下がってくると起こるので、高い山、北の方(大雪山が一番早い)から始まります。東京周辺の日帰り可能な山で一番高い山は、雲取山2,017mが一番高いので最も早いです。年によって違うのですが、だいたい10月の中旬です。丹沢は1,500~1,600mなので10月下旬です。谷川岳は1,900mなので上の方は10月上~中旬、下の一ノ倉沢の出合いは11月の初めです。箱根は最高峰が1,200mなので11月の初めです。鎌倉などは200m以下ですから12月初めです。

つまり、お勧めの山は多すぎるので、上げきれません。具体的にどこへ行きたいかをご質問下さい。

要は、自分の行きたい山の標高を調べれば、時期は大体分かるというわけです。そして年によって、時期がずれるので念のため、自分の行きたい山の場所のある市町村の観光協会に電話をかけ、調べてから行きましょう。アルプスでは紅葉の時期に、雪が降ることが有りますが、東京周辺の山は標高が低いので雪が降ることはまずありません。安心して下さい。

つまり、時期を考えればどこでも紅葉は楽しめるというわけです。ただし秋は深まるにつれ日がどんどん短くなるので、必ず地図とカッパとヘッドランプは持って行きましょう。11月下旬には16:30には暗くなってしまいます。


 

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