Q&Aコーナー「山のお悩みなんでも相談室」〈第1回〉

Q&Aコーナーです。
山にまつわる疑問、
お悩み、道具や技術のこと……
『山仙人』こと
プロガイドの小日向 孝夫 講師がお答えします。

ご質問・ご相談募集中! こちらの投稿フォームからたくさんの投稿お待ちしています。(無記名OK) 

<相談1> 東京都 石川栄子さん 51歳 主婦
Q.中高年の登山が流行っていますが、どう思われますか?

<小日向のお答え>
A.登山は人間の健康維持にとって、無理をしなければ、とてもいい有酸素運動ですから若い人は、もちろん中高年にとっては、登山をすることはとてもいいことだと思います。

ただし、登山は自分の体力や知識、経験の範囲でやっていれば、用具さえ持っていれば、お金もかからず、体にもいいのでとてもいい趣味や運動だと思いますが、相手は自然です。ですから、いきなり経験も用具も持たないで、大きな山に行くのは止めた方がいいでしょう。人に連れて行ってもらえば、いざという時も大丈夫と思ってツアー登山に行き、命まで失ってしまうという事件が最近多く起きていますよね。

本来登山は1人でも行けるし、大勢でも行けるしとても応用幅が広い、良いスポーツです。ただし、歩くときは自分の脚で歩くわけだし、山の斜面で転んで、手や足を折ったら自分の責任ですよね。連れていってくれた人に責任を取ってもらうことはできませんよね。

ですから、中高年の方は自分の体力、知識、経験、装備などを徐々に揃え、けっして無理をしないということを肝に銘じてもらえば、どんどん山を登るべきだと思います。つまり、他人はもちろん家族にも、けっして心配をかけないよう、迷惑をかけないようにして登山をやれば、中高年にとってこんなに素晴らしい趣味はないと思います。

中高年はもとより、若い人も素晴らしい自然体験活動である、登山を始めましょう。登山学校に入って勉強するなり、登山の技術書をしっかり読むなり、経験を積んだ山の先輩を見つけるなり、手探りで始めるのは止めましょう。

以上が私の中高年登山に対する、考え方です。

<相談2> 埼玉県 小林秀子さん 46歳 パート
Q.トイレはどうするのですか? 各自紙オムツ、パットなど持参するのですか?

<小日向のお答え>
A.
この質問には個人的にはお答えしにくいのですが、多くの指導者、プロガイド達が行っている方法をお答えいたします。

本来自然に対するインパクトを考えれば、山小屋あるいはトイレ以外で大便はもちろん小便もしない方がいいのですが、山小屋が全くない山も多いし、あっても少ないことが多いので以下の方法が一般的です。

小は皆で同じ場所にせず、大はしてもいいが紙はもちろんすべてを持ちかえるということです。女性の場合は小の紙だけは、必ず持ち帰るということです。ですから、私も山に行くときには必ず携帯用のテッシュとビニール袋は5~6枚必ず持ってゆきます。

私も最近は、大はテント泊指定地や小屋以外でしたことはありませんが、以前アルパインクライミングや冬山登山をやっていた時は、テントやツエルトで泊まるときに、よく戸外で大をしました。その時は、紙だけはビニール袋に入れて持って帰っていました。

紙おむつは持参してもいいですが、大変ですよね。正しくは、持参して使用する方がいいと思いますが。これとて、駅のゴミ箱に捨てるわけにはいかないし、個人個人でそれぞれが考えるしかないと思います。

最近は早池峰山や利尻山などでは、携帯用のトイレセットを登山口で販売していますし、回収のシステムもありますので、これらの地域に行く場合はこれを利用すべきだと思います。

私も念のために、携帯のトイレセットを1セットだけ、持ってゆくようにしています。

<相談3> 東京都 上村由美さん 37歳 看護師
Q.靴のお勧めメーカーの名前を教えて下さい。

<小日向のお答え>
A.私は全部のメーカーの靴を履いたわけではないので、私の知っている範囲でお答えいたします。最近は靴の専業メーカーではないメーカーの靴が出ていますが、靴が傷んだ場合や靴底が減って、変えたり、留め金が壊れたり、靴紐が切れたりして修理をしなければな

らないことを考えれば、出来れば靴の専業メーカーの物を選んだほうがいいでしょう。

靴を選ぶには、まず自分の足の特徴を掴むことです。長さは無論のこと、横幅、甲の高さ、土ふまずの形、足首の太さなどを専門店の人に診てもらい、そのお店で一番ご自分の足に合った靴を勧めてもらうのが、間違いがないでしょう。

ちなみに私が履いている靴は、シリオ、スポルティバ、クリスピー、アシックス、サロモン、アゾロなどですが、すべて靴の専業メーカーです。

私の場合の靴の選び方は、若干外反母趾なので、靴下は薄手と厚手の2枚を履き。必ず自分専用のフットベッド(靴の中敷き)を作ってあるので、必ずそれを入れて登山靴を履きます。靴に足を入れて踵に足を押し付けて、親指が靴先に当たらないことを確認して選ん

でいます。気にいった、靴が見つかったら(各回ともにサイズ合わせを含め、4~5足は履いています)両足ともしっかりと紐を締め、15~20分はお店の中を歩き回ってから買い求めるようにしています。

<相談4> 東京都 伊藤かずみさん 43歳 公務員
Q.トレッキングシューズですが、捻挫の後遺症でくるぶしを痛めてます。サポーター機能のあるシューズは無いでしょうか?

<小日向のお答え>
A.現在は靴にサポーターの機構が付いているトレッキングシューズはないと思います。対策としては、出来るだけ足首が深いタイプのシューズを選ぶことですが。

簡単に解決できる方法をお教えしましょう。アルケアとうい医療用のギブスを作っているメーカーが、足首専用のサポーターを販売しています。私も足首を痛めた時に使ったことがありますが、かなりガッチリとしていて使い易かったですよ。アルケアの電話番号は03-5611-7821。またはアルケアでHPを検索してみてください。

もう一つの方法は登山の度に、固定用のテーピングテープで足首を固めることです。スポーツ選手は試合のたびに、捻挫防止のためにテーピングをしているくらいですから、どちらかというとこちらの方がお勧めです。ただし、1回1回自分でしっかりと、テープを張らなければならないのと、それを剥がさなくてはならないのでメンドクサイということがあります。

 こちらのほうも、ニチバンというテーピングテープのメーカーでテーピング講習会を定期的に行っているのでHPで探してください。もちろん、テーピングのやり方を書いた書籍もありますので、大きな本屋さんで聞いてみてください。

<相談5> 神奈川県 小西由香さん 31歳 OL
Q.登山にオススメのカメラはあるのでしょうか?

<小日向のお答え>
A.私は少し前までは、通称「山カメ」と言われていたニコンFEチタン(軽くて丈夫で操作が単純)を使っていました。そして、写真専用のツアーの同行の場合は三脚を持ってゆくので、ニコンF3と2台を持って行っていました。

ところが、最近の普段の山行では、三脚は邪魔だし三脚を使って写真を撮ってはいられないので(登山教室の生徒さんに怒られてしまう)、感度を簡単に変えられる、デジカメを使うようにしています。ただし、望遠レンズも使いたいので、交換レンズを使える1眼レフタイプ(ニコンのD5000)を使うようにしています。

なぜデジカメの1眼レフタイプがいいかというと、感度(明るさ)が普通はASA100なのですが、暗ければASAをボタン一つで6400まで6倍も明るくできるので森の中や、夜明けや夕暮れなど暗いところでも三脚がなくても何とかなるからです。

そして、ポイントは交換レンズです。出来れば24ミリの広角から70~80ミリのズームで接写が出来るタイプ(花の写真は接写の機構が付いていないと写らない)の物と80~300ミリぐらいの望遠レンズの2本を持っていればほとんどのタイプの写真が撮れます。

もちろん、写真が趣味ではないので、そこまでは必要がないという場合は、バカチョンタイプのデジカメでもOKですが、出来れば35~150ミリぐらいのズームが利き、接写の機構が付いているもので、出来るだけ画素数が大きいものが良いでしょう。もちろん、ストロボ内蔵の物のほうがいいでしょう。

そして、カメラを山で使う場合の一番大切なことを申し上げておきましょう。それはカメラを絶対に濡らさないことです。とくに、デジカメは濡れに対して弱いので、ビニール袋に3重くらい厳重に防水処置をして持ち運びをしましょう。それと、予備の電池とメディアを忘れないことです。


 

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