レポート「天上山」まるごとパワースポット神津島 デトックスの旅

はじめての天上山、雨ニモマケズ、充実の島旅満喫しました

11月中旬の週末の夜、東京・竹芝桟橋を東海汽船の大型船「さるびあ丸」で出発し、神津島の天上山(571.8m)に登りました。

予定していた登山日の土曜はあいにくの雨予報。それが影響したのでしょうか、ツアーを直前にキャンセルされるお客様が相次ぎました。数日前から予報が出ていましたから予想はしていましたが、今回ご参加いただいた一組のお二人だけになってしまったのはとても残念でした。出来ることなら晴れた日に登りたい。それは誰も同じだと思います。今回のお二人、TさんとYさんも、その思いは同じでした。ただ素晴らくポジティブだったのは「雨だからキャンセル」ではなく、避けられそうにない雨はそのまま受け入れ、翌朝、晴れと出ていた予報に希望を持って、帰りの船に間に合うように早朝からもう一度登ることはできないだろうか、と予定変更することを積極的に考えていらしたことでした。幸か不幸か、他のお客様がキャンセルされた結果、スケジュール変更も比較的容易となります。神津島に着いたら、島の登山ガイドさんに相談してみることになりました。

ライトアップされたレインボーブリッジをくぐりナイトクルーズのはじまりです

出航したさるびあ丸は、宝石をちりばめたように光り輝く東京の街を遠ざかり、次の寄港地、横浜を目指します。東京タワーとスカイツリーの両方が視界に収まるころ、遠くの空から飛行機が等間隔で列をなして降下して来る光が見え、そこが羽田空港沖だと気づきました。デッキの反対側からは、ライトアップされた東京ゲートブリッジが、遠く宙に浮いたように幻想的に見えました。竹芝桟橋から横浜まで約1時間の、この東京港のナイトクルーズは一見の価値があります。

刻々と変化してゆく夜景はいつまで見ていても飽きることがありません

東京ゲートブリッッジとスカイツリーが重なる光景は海上ならではのこと

横浜に寄港したあと船内は消灯となり伊豆諸島最初の寄港地、伊豆大島へと向かいます。二等船室はカーペット敷の大広間ですが、1人ずつ番号で指定されたスペースが横一列に確保され、富士山の山小屋のようでもありますがはるかに快適です。伊豆大島までは大きな東京湾の内海の航海ですから波もおだやか。貸毛布(1枚100円)を借りて体にかけると落ち着くのでよく眠れます。

新島に接岸したころから、平らに見える隣の式根島越しに見えはじめたのが神津島の天上山でした

時間調整を経て、朝6時から大島、利島、新島、式根島、神津島の順に寄港していきます。神津島に着く頃には予報どおり雨が降り始め、西風を受けない多幸湾への接岸となりました。

全体像をあらわした神津島。天上山を中心とした火山の島ということがよくわかります

ペンキをスプレーしたようにハッキリと黒い帯状に見えるのは巨大な黒曜石の地層。

あいにくの雨ですが、上陸した多幸湾から見上げる天上山の迫力は登攀意欲をかきたてられます

さて、お迎えに来ていただいた神津島観光協会のカクショウさんの案内でひとまず観光協会のある神津島港のターミナル「まっちゃーれセンター」へ。そこで今日の登山ガイド前田さんと顔合わせ。そして打合せ。今回の悪天候を考慮して、迎えてくださったカクショウさんと前田ガイドさんも、登る山を秩父山という低い山に変更して短時間ハイキングと頂上のお堂で昼食、という代替えプランを用意してくださっていました。でもここで思い切って、お客様の希望する明朝の早朝登山プランもあわせて提案。その結果、やはり朝から自力で麓から登るのでは頂上まで行き着くことが時間的に難しいとうことでしたから、明朝は行けるところまで登るだけということにして、今日、たとえ頂上でお弁当が食べられなくても、雨の中でも、やはり天上山に登ることに。ただし、当初の計画だった頂上一帯をくまなく周遊するロングコースはとりやめ、頂上に近い白島登山口まで前田ガイドさんの車で移動。登頂を最優先に天候を見据えながら、可能な限り短時間でコンパクトに周遊してくるコースでガイドしていただくことになりました。雨具だけはしっかり身につけ、すぐ出発です。こんなことが出来たのも人数が少なくガイドさんの車1台でフットワークよく移動できたからでした。

ザックも持たず身軽で足取りも軽く。登山道もよく整備されているから歩きやすい!

花の百名山でもある天上山。秋の花「イソギク」が頂上砂礫地のあちこちに

純白の「ウメバチソウ」の花は曇り空の薄暗い風景の中でも白く目立ち、存在を主張しているようでした

晩秋から冬に赤い実をつける「サルトリイバラ」

歩き始めて30分、早くも頂上一帯のやや平坦な台地状地形に入ります。案内図の左半分の円形のコースを歩きました

天上山は実際に歩いてみると、変化に富んだ地形がとてもコンパクトにまとまった箱庭のよう

頂上はもうすぐ。雨だけどウキウキ笑顔がこぼれてしまうほど楽しいのです

思いがかなって無事登頂! 前田ガイドさんに教わった天使のポーズで記念撮影

頂上の標柱に取り付けられた龍と一緒に島の中心部、前浜と神津港をバックにポーズ

道はあちこちで分岐しています。初めて来て迷わず効率よく歩くには、やはりガイドが必要だと感じました

前田ガイドさんは島で一番のベテランガイドさんだから安心、楽しい、たのもしい

決して大きな山ではないのですが、景色はアルプスのように雄大なのです

あこがれのハート形の不動池に着くころには龍が飛ぶように霧が流れ込み、視界が失われ始め神の力を感じます

360°の大パノラマが見えるはずがガスで見えません。だからまた来ることを誓って下山します

初めての天上山は、雨の中でも寒くもなく、思った以上に景色も見えました。そして予定通り頂上に達することができて、TさんもYさんも大喜びです。「楽しい」を連発し、笑顔が絶えません。前田ガイドさんが頂上で記念写真を撮る時に絵になる「天使のポーズ」を教えてくださいました。幼児でも登れる天上山、「小さい子がやるとほんとに可愛いんだ」と嬉しそう。手首を少し曲げて翼の先を表現するのがコツとか。誰でも天使の心になれそうです。雨でも神さまが天上山の魅力をじゅうぶん感じさせてくれました。でも、途中から霧で隠してしまい、すべては見せてくれませんでした。だから「また来たい。できれば晴れてる時に来たい」と素直な思いが二人の口からこぼれます。それを聞いていたガイドの前田さん。「乗りかかった船だから」と明日の朝も車で迎えに来て同行していただける約束をしてくださいました。「そうすれば頂上を往復しても船に間に合うから」と、TさんYさんが天上山を気に入ってくれたのが嬉しかったからに違いありません。

下山後に「つづき堂」という山間のお堂へ移動し昼食のお弁当。そのあと村の名所を案内していただきました

島では開祖とされる阿波命神社へお参りするとき、平らな石を砂浜で拾い砂を盛ってお供えするそうです

前田ガイドさんが砂浜で円くなった黒い石を拾い割ると中はガラスのように光る黒曜石でした。良質の黒曜石は打製石器の材料として3万5千年も前から神津島の特産品とされていたそうです。

あす朝の時間を約束して、まっちゃーれセンターで前田ガイドさんとお別れし、カクショウさんに観光協会の車で送っていただいて温泉保養センターで入浴。それから今夜の宿「旅館 ふもと屋」へ向かいました。おいしい島の魚やアシタバなどを夕食にいただき、あすの朝食時間を予定より2時間も早くお願いしてみると、快く引き受けていただけました。

夕食後、星空を見に外へ出てみましたが、まだ雲が多く、雲の切れ間から時折空が見える程度でした。しかし、都会の空とは比べられないほど小さい星まで見えたので、神津島自慢の満天の星空は次のチャンスにと、明朝に備えて早く寝みました。

わずかな村の灯りを雲が反射して白く光るので見えづらいですが雲がなければ満天の星だったでしょう

2日目、夜半から風が強く吹き始めました。空はわずかに雲があるもののまずまずです。朝食を済ませ6時に迎えにきてくださる前田ガイドさんの到着を待ちます。山に必要ない荷物はあとでまっちゃーれセンターに運んでもらうよう女将さんにお願いして、一夜のお礼を行って出発しました。

今日も「頂上まで行って来るだけだから何もいらない」と防寒着とカメラだけ身につけ登り始めました。強い風のお陰であれだけ雨が降ったにもかかわらず、地面も草木も完全に乾いています。朝日を待ちわびながら快調に登り、駈けるように頂上台地を目指します。昨日は雨に霞んでいた周囲の島々や伊豆半島や箱根、富士山あたりの裾野も今朝は確認できます。まだ少し雲がかかり富士山頂は見えませんでした。しかし、朝日の斜光線が射し始めると、目に見えるもの全てがクッキリと美しく輝いて見えます。海の色も、強い風に立つ白い波頭も、次々と目に入る美しい光景に目を奪われました。

伊豆半島南部が間近に見え、遠くには雲との境い目にうっすらと南アルプスの稜線が見てとれました

もう太陽は山の向こうで昇っていますが、スカイラインから太陽が見えて来るとご来光のようです

念願かなって晴れの天上山にも登頂です。昨日とはまったく違う風景が目の前に広がります

天使のポースももう一度。昨日は見えなかった白い波が前浜海岸に押し寄せています

龍は青空と白い雲でもよく似合います

前田ガイドさんも一緒にポーズ

全員健脚だったので頂上のみならず天空の丘、表砂漠にも足を伸ばしました

天空の丘は連なる島影が美しく見渡せます

大島や房総半島まで見渡せる、この場所からの展望は新東京百景にも選ばれています

急ぎ足で景色もめまぐるしく変わります

昨日、来られなかった表砂漠にも

早朝の空中散歩は気分爽快。早起きして正解でした

前田さんのガイドがあってこその充実したツアーとなりました。感謝しきれないほど神津島が好きになりました

船の時間が迫ってきます。また来ることを誓って下山を急ぎます

天上山は初心者にこそ登って欲しい、山の楽しさをギュッと詰め込んだような山でした

まっちゃーれセンター「神津島観光協会」事務所で「天上山登頂記念証」をいただき、山バッチも買いました

帰りの船が入港してきました。天上山にも島の人びととも、お別れが近付いてきます

島をあとにして旅情あふれる島旅の終わりは目前です。短い時間でしたが楽しんでいただけたでしょうか

ガイドの前田さんにはずいぶん無理をお願いしてしまいましたが、TさんYさんはそれも十分承知して、希望がかなったことにとても感謝していらっしゃいました。

いつでもここまで柔軟な対応をしていただけるわけではないでしょうが、神津島の人びとのホスピタリティをしっかりと感じることができました。山女子クラブでは2018年春にも天上山ツアーを計画しています。1人でも多くの方にこの山の魅力を知っていただけたらと思っています。

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