レポート 中級登山教室「剱岳」

ちょと頑張って雨の中を北アルプス・剣岳に登ってきました

毎年この時期(3連休)に剣に行っていますが、今年は雨予報のせいか参加者は元気女性のOさん、Yさんの2名になりました。しかも、お忙しい方たちなので、室堂直通の夜行バスでは集合時間に間に合わないということで、レンタカーとアルペンルートで行くことになりました。

9月14日()夜22:00、かわらず雨の予報の中を品川から長野県側の大町・扇沢に向かいました。もともと15日は雨予報でしたが、16日は曇りのち雨の予報だったのでそれを狙ったわけです。扇沢駐車場1:00AM到着。やはり雨。車の中で仮泊。

予定どおり「立山黒部アルペンルート」をフル活用して室堂を目指すべく、扇沢発7:30の「関電トンネルトロリーバス」の始発で黒部ダムへ。そしてトンネル内を一気に400m昇る「黒部ケーブルカー」に乗り継ぎ黒部平。「立山ロープウェイ」でさらに500m上の大観峰へ。最後に「立山トンネルトロリーバス」と乗り継いで、あっという間の9:00室堂着。おかげでゆっくりと支度をし、雨の中を傘をさして10:00出発。雷鳥沢~別山乗越~劔沢キャンプ場13:30着とすばらしいペースでした。

すぐにテントを張り、テント泊の準備にかかりましたが、雨と風がますます激しくなり、ここは無理せず近くの剱澤小屋に避難することにしました。いつの間にか同じような、テント避難組で小屋は満杯になってしまいました。この日の劔沢はそれほどの荒天だったわけです。なんとか、濡れたものを乾燥室で乾かし、夕食を食べたら早めに寝るようにしました。

▲架線から電気をもらって走るトロリーバスは今年が乗り納め。来年からはバッテリーバスに


▲全線地下式のケーブルカーは日本でもここだけ。景観保護と屈指の豪雪から施設を守るため

16日は霧でしたが、予想通り雨は降っていません。5:00AMすぎに劔澤小屋を出発、前劔の手前でハーネスを着けます。

鎖場の連続する中を確実に通過する2人の元気女性は全く不安はなさそうです。いよいよカニのタテバイですが、その前のジェードル(岩壁と岩壁が凹状に接するコーナーのような部分)の登りが一番怖かったそうです。いつもは順番待ちで渋滞するタテバイですが、全く待たずに通過。

8:45AMには頂上到着。霧でまったく景色は見えません。軽食とアミノバイタルを飲み、エネルギー補給。記念写真を撮って下山開始です。私たちの他にも頂上には5~6パーティがいました。また下山の途中で、3~4パーティとすれ違いました。みな同じように今日しかないチャンスを狙った人たちです。


▲ハーネスを着けて岩場に備えます。このガスだけはどうにもなりません


▲前劔の門手前の右手が切れ落ちた5番クサリ場。このあたりから一気に難易度アップ


▲右上に写っている谷間にかかる細い鉄の橋を渡って5番クサリ場トラバース


▲良くも悪くも濃いガスは視界を遮り高度感からくる怖さを少なくします


▲核心部といわれるカニのタテバイ。30mほどのほぼ垂壁です


▲垂壁を登りきったら広いバンド(岩棚)に上がります。難しくはありません


▲バンドに上がってから右へ慎重にトラバース


▲景色が見えないのは残念でしたが渋滞もなく確実なクライミングテクニックで無事登頂


▲下りの核心部、カニのヨコバイへと一歩一歩慎重に進みます


▲鉄棒に足をかけてのスタンスは雨だと特に滑りやすいので細心の注意をはらいます


▲ステンレスのハシゴも雨の日は特に注意深く下りましょう


▲これにてヨコバイ終了。安全確実にクライムダウンできてこそ岩場上級者


▲ヨコバイの下は少し広くなっていてトイレまであります。でも落ち着きませんよねえ


▲核心部が終わったとはいえ、まだまだ岩場の連続です。決して気を抜けません


▲またガスが濃くなってきました。先行パーティーはザイルを使用しているようです


▲安全のためにはザイルの使用も必要ですが、一般ルートでは時間がかかって渋滞します


▲「焦らないで最後まで安全にね」とライチョウに見送られていたようです

下りは岩も少し乾いてきて、滑りにくくなりましたが相変わらず霧は取れません。先々週の立山では日本海までも見えたのに残念でした。下りの難所、カニのヨコバイは鎖が新しく足されて全く問題はありませんでした。

焦ることなく慎重に下山しましたが、それでも11:30に剣山荘に到着。明日はまた雨予想なので今日中に帰ろうということになりました。16:30のアルペンルートに乗れれば17:30には扇沢に着けるでしょう。

ということで、劔澤小屋に戻り、すぐ下山の支度をして12:30出発。別山乗越~雷鳥沢~雷鳥荘~みくりが池温泉と、いいペースで歩き、雷鳥沢では霧が晴れて紅葉を楽しむ余裕もありました。ところが、雷鳥荘手前から再び雨が降り出し、室堂手前ではけっこうな雨になりました。

というわけで、ギリギリセーフの剱岳登山になりました。天気は予報通りになったわけです。


▲雷鳥沢の下りで美しい草紅葉に出会いました。雨もまたよし


▲雷鳥沢のキャンプ場もテントはまばら。紅葉が始まっています


▲ミドリガ池


▲ミクリガ池


▲立山ロープウェイのゴンドラ内からの風景


▲黒部ダムから黒部川の谷を見下ろす。最後まで姿を見せなかった山に別れを告げます

この雨ならば中央道は空いているかと思いましたが、そうは行きませんでした。大月から30kmの渋滞で到着時間が心配になりましたが、なんとか各自終電に間に合ってめでたしめでたしの巻でした。
(小日向)

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