レポート 中級登山教室「上高地・乗鞍スノーシューハイク」

3月第1週の土日に「上高地」と「乗鞍高原」の雪原を歩く、初心者の方にも好評のスノーシューハイキングツアーに行ってきました。計画では、第1日目に乗鞍高原の全面氷結する「善五郎の滝」を見に行くスノーシューハイクを。ペンションで一泊した翌朝は上高地に入り早朝の大正池、梓川などをスノーハイクし、楽しみながら山を撮影するコツを知っていただく写真教室をというスケジュールで考えていました。ところが、上高地の天気が1日目に良く、2日目には下り坂と予想され、1日目に上高地に入ることになりました。



宿泊するペンションの車で冬の上高地への入り口、冬季閉鎖中の「釜トンネル」入口ゲートまで送っていただきました。必要なものだけをサブザックに詰めてトイレを済ませ出発です。すぐに1.3kmの釜トンネルと、連続する上高地トンネル588mの2つのトンネルを徒歩で抜けます。トンネル内は急な登り勾配の坂道ですが真新しく照明もあるので真冬の北アルプス山中とは思えない舗装道路のトンネル歩きです。

▲上高地は冬山ですと注意を促す看板があります。しばらく雪も降っていないのか路面は乾いています

▲かつての釜トンネルは岩盤むき出しの狭くて暗い素掘りのトンネルでした

2つのトンネルを抜けてしばらく行くと目の前にダイナミックな冬姿の穂高の大パノラマが広がります。振り返ると先ほど釜トンネルと上高地トンネルの間で、すぐ目の前に見えていた焼岳が、わずかに噴煙をたなびかせて背後にそびえ立っています。少し凍った路面でスリップして転倒しないよう注意しながら大正池の水面に近づくように坂を下り、しばらく進むと大正池が眼前に広がる景色に迎えられます。

▲息を呑む景色に圧倒され、誰もがレンズを向けてシャッターを切りたくなります

実は、今年の上高地は雪が少なく、この日も道の雪は多くの入山者によって踏みしめられ、スノーシューが必要ないほどの歩きやすさでした。また、厳冬期ならば凍結して当たり前の上高地のバス道路も、思いのほかの暖かさでアイゼンすら必要ないほど。まるで都会で大雪が降った後の晴れた日の公園を散歩しているような穏やかさです。空には雲もなく青く澄み渡り、風もほとんど吹かない絶好のお天気だったのです。


▲背後で噴煙を吐きそびえる雪化粧の焼岳

大正池ホテルの横に冬でも使用できる公衆トイレがあるので、寒い雪上ハイキングでも安心です。ここから大正池の水の畔に出てみました。水面近くから見ると風が止みさざ波が収まると雪の穂高連峰が逆さに写り込んで印象的です。景色も良く広々した水辺の雪原で、行動食と暖かい飲み物でランチタイムを楽しみました。

▲大正池ホテル裏の水辺は河原の土が現れるほどの少ない積雪量

▲思い思いにシャッターを切ってはモニターを確認。満足できる1枚は撮れたでしょうか

▲贅沢な雪上ランチタイムで雪の上高地を満喫しています

▲ご参加いただいたみなさんは誰もが明るく人生経験豊かで会話も弾みます

休憩を終えると時間の許す限り奥へと進んでみます。梓川の河原の樹林帯を進み田代池から六百山、霞沢岳を望む撮影ポイントでは、写真教室のレクチャーにも熱が入ります。みなさん、小日向講師の構図の取り方やAEロックを効かせた露出調節のコツなどに熱心に耳を傾け、すぐにカメラを構えてご自分の作品に試していらっしゃいました。

▲田代池へ足を伸ばします


▲田代湿原の雪原越しに見る穂高・明神の優美なたたずまいもまた美しいですね

▲田代池で構図のお勉強。奥行きを表すには縦位置が効果的だというコツを伝授

▲あえて横位置に挑戦してみました

▲早朝は霧氷が美しいそうです。今回スケジュール入れ替えで実現せず想像で心に刻みます

▲そろそろ戻る時間です。午後の日差しが木漏れ日となって輝いています

田代橋まで進んでくるとそろそろ戻る時間です。釜トンネルのゲートまでお迎えに来てもらうので時間にリミットがあるのです。それでもタップリと上高地の雪景色を楽しんだ充実感があるのは、やはり快晴に恵まれたからなのでしょう。田代橋わきの公衆トイレに寄ったあと、帝国ホテルからバス道路に戻り、あとは寄り道することなくトンネル目指して戻りました。

▲西日で紅く輝くケショウヤナギの冬芽と穂高岳沢の広々した雪景色のコントラスト

▲左から右へ、西穂独標から西穂、天狗、ジャンダルム、奥穂へと伸びる稜線


天気が悪くなると予想された2日目ですが、曇り空ながら午前中は雨に振られることもなさそうで本来なら1日目に行く予定だった乗鞍高原の善五郎の滝を見にスノーシューハイクに出かけました。Mt.乗鞍スノーリゾートスキー場の駐車場がスタートです。夏のハイキング道を辿って谷間の滝に向かいました。

▲スノーシューはペンションで無料で貸していただけます

▲乗鞍も雪は踏みしめられてスノーシューなしでも歩けそうです

▲まずは滝見台から全容を見て、乗鞍を入れて撮影してみます

▲乗鞍高原には3つの滝があるそうです。善五郎の滝はそのうちの中間の滝

▲滝壺もほぼ雪で埋まっているので近くまで簡単に行けます

▲天気も晴れ間が見えてまだまだ大丈夫そうです。滝の前で記念写真を撮りました

滝へ下りてみるとその大きさがよくわかります。全面氷結とは言っても氷の下には音を立てて水が流れていました。スノーブリッジになっている滝壺の上はどこが薄くなっているかわからないので不用意に歩き回るのは危険です。氷の前で記念写真を撮り、今日はアスザックのフリーズドライスープを作って飲んでいただきました。日が当たらない谷は寒かったので熱々のスープが美味しく体を温めてくれました。

氷の滝を登るアイスクライミングを始めた登山者たちをしばし見学したあと、谷から元の尾根へ登ります。再びゆるい下りのハイキングルートをお迎えの待ち合わせ場所までスノーハイキングです。もともと踏まれて潜ることはなさそうな雪面は、スノーシューを履いて歩くと快適そのもの。潜ることも滑ることもなくグングン進んで、あっという間にスキー場下の滝見用の駐車スペースに到着。待っていてくださったペンションのオーナーと合流できました。広い白樺の林を歩いているうち青空が広がって、乗鞍岳が青空バックに見えるほどの好天ぶりになって目を楽しませてくれました。


▲具だくさんのスープが簡単にできるアスザックのフリーズドライスープは大好評です

▲氷の下を流れてきた水が轟音を立てて滝壺に注いでいます。落ちたら命に関わります

▲滝の氷柱にトライするアイスクライマーたち

▲足元の雪の切れ目などに注意しながら滝壺からもと来た尾根に戻ります

▲笹薮には雪もなく、ハイキング道がハッキリとわかります

▲白樺の疎林の先にゴールが見えてきました。いつの間にか雲が消え青空から日差しが

▲ゴールポイントでは片付けをしながら乗鞍岳をハッキリと見ることができました

 

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