レポート 初心者登山教室 「また登りたくなる富士山」実地講習

日本一の「富士山」にチャレンジ

たがいに気づかい励まし合い全員登頂を果たしてご来光に感動!

山女子クラブの夏の実地講習は「富士山」です。春から山登りを始めた人でも夏には富士山に登れるように、初心者登山教室では段階を踏んだカリキュラムで講習会を続けてきました。今年も、富士山だけご参加いただいた初心者も含め7名の方にご参加いただきお盆後半の週末に実施し、無事終了しました。

第1日目

出発の土曜日、大型の台風が去った直後で天気は大いに期待され、その期待通りに朝から雲ひとつなく麓から頂上まで富士山が綺麗に見えていました。いつ見ても富士山の大きくどっしりとした山容に圧倒されます。

バスで登山口となる富士宮口新五合目に到着すると、協賛いただいている、味の素の「アミノバイタル®︎パーフェクトエネルギー」と「アミノバイタル®︎GOLD」のお試しセット2日分をお渡ししたり、カシオの高度計付きリストウォッチ「プロトレック」を全員に無料レンタルしてお試しいただくなどの準備をしながら、時間を過ごします。地図で今日のルートを説明したり、パッキングをチェックしたり、ザックの背負い方、準備体操など、たっぷり1時間近くかけて準備をします。のんびりしているようですが、これが高山病の予防にもなります。初めて富士山にチャレンジされる方は、準備の机上講習で高山病の説明を受けて不安を持っていました。また、今まで2度チャレンジしたけれど高山病に悩まされて断念し、今回3度目のチャレンジという方もいて、それぞれ高山病に不安を持っていらっしゃいました。

カシオPROTREKの使い方を教わっています。これがあると自分が今いる標高がわかります

▲天気は最高! 元気よく準備運動

▲いよいよ出発します。今日は標高差900mをがんばって登ります

プリンスルートは、出だしの1時間は富士宮ルートの六合目から御殿場口ルートの六合目を目指して横に移動するようなルートです。これもまた、急激に高度をあげないルートになるため、高度に身体を馴らすために有利だと考えられます。江戸時代に大噴火した宝永山の火口から最初の急登が始まります。火口の底で昼食休憩をとり、「アミノバイタル®︎パーフェクトエネルギー」でさらにエネルギーチャージして、いよいよ今日最大の難所に挑みます。

▲富士宮口六合目の山小屋「雲海荘」までは30分ほど。身体を馴らすのにちょうどいい

▲歩き始めには少しガスが出て日差しも弱まり快適に歩けました

▲この富士宮口六合目から別れてプリンスルートは宝永山を目指します

▲宝永山までの途中には日本固有種の「フジアザミ」が多く見られます

▲いったん宝永第1火口の底まで下って、ここから宝永山馬の背まで登り返します

▲今日最大の難所を前に火口底で昼食休憩。中央奥のなだらかなピークが宝永山

▲ここで昼食とともに「アミノバイタル®︎パーフェクトエネルギー」で急登に備えます

▲ゼリー状なので、喉が乾いていてもバテ気味でも喉を通りやすく皆さんに好評です

宝永第1火口から宝永山馬の背(噴火によって形成された宝永山と富士山との鞍部)まで登るのはなかなか大変です。このルートで一番といえる急傾斜に加えて、火山岩の砂利と砂で足元がとても滑りやすく、初めての人には登りにくく疲れてしまいます。こういう登山道の特徴は富士山のどのルートでも同じような傾向ですが、プリンスルートではここが一番の苦しい登りにあたります。小日向講師から、足の置き方や体重のかけ方、体重の移動のさせ方など、こういう道を登るコツをレクチャーしていただいてから、1列に並んでゆっくりゆっくり登り始めます。途中、大きく2回折り返しますが、あとは傾斜に対して斜行する真っ直ぐな道を約1時間。がまんのしどころです。

黙々と前の人の踏み跡を辿って登り続け、苦労の末に無事馬の背に登り着きました。ここで標高およそ2700m。登山口から約300m上がったことになります。少し遅れてしまった人も出ましたが、ほんの10分足らずの遅れで追いつき、みんなとゆっくり休憩をとって、さらに上を目指します。ここからは、今ほどの急傾斜はなく御殿場口ルートまではまた、斜めにトラバース(斜面を横切って進むこと)していくので少し楽になります。

▲先生の登り方実演に熱心に見入ってコツをつかもうとしています

▲ゴールが見えているのになかなか近づかないのが苦しい。焦って急ぐと足場が崩れ消耗します

▲みんなそれぞれに苦しさを乗り越えて馬の背に到達。まだ先は長いけれど難所はクリア

▲御殿場口登山道六合目に合流。どこまでも続くジグザグの道を根気よく登ります

▲気がつけば3000mに到達。今日は残りあと3分の1

プリンスルートで馬の背から御殿場ルートへは、またゆるい傾斜で横へ移動していきます。間も無く広い御殿場ルートに合流。御殿場ルートは富士山の登山ルートの中では、もっとも低い登山口からスタートし山小屋も少なく、距離が長いため敬遠されがちなルートです。それだけに、他のルートに比べて混雑は少ないのです。それでも今回はプリンスルートから多数のツアーが入山していたようで、例年より人の多さを感じました。

馬の背からおよそ1時間。標高もすでに3000mを超えています。七合目を過ぎると休業中の小屋も含め、山小屋が続きます。休業中の七合目小屋前で休憩。PROTREKで高度を確認するとわずかに低く表示される誤差が出ていたので、修正しておきます。今夜お世話になる赤岩八合館(3290m)と、その一つ下の砂走館(3090m)は姉妹で経営する同じ系列の山小屋です。どちらかに宿泊するなら、トイレはチップを入れずに使わせてもらえるので次は砂走館までノンストップ。ほんの20分程度のガマンです。

そして最後の登り。すでに筋肉疲労で足が攣り始めていたり、頭痛、食欲不振など軽い高山病を疑う症状の人もいましたが、みんな最後まで頑張りました。今日の宿泊地「赤岩八合館」に到着です。2008年、当時皇太子だった今上天皇もこの赤岩八合館に泊まって富士山に登頂されました。その時陛下が歩かれたルートにプリンスルートという名前が残りました。

▲3000mを超えてしばらくすると七合目。休業中の日の出館前で小休止。

カシオPROTREKは高度3013mを表示。

▲案内板とは17mの誤差。気圧によるものかスタート時の高度が違っていたか。とりあえず修正します

▲個人差はありますが、全員まだ元気です。ペースを崩さずゆっくり登ることが重要です

▲わずか10分で次の小屋、美味しそうなスイカや氷のノボリを尻目に通過します

▲砂走館に到着。この先ゴールの赤岩八合館まで休みはとりません

▲最後の登りの前にゆっくりトイレ休憩。筋肉疲労で足がつるなど未体験ゾーンへ

▲中央上部に白く横長に見える赤岩八合館。その遠さに折れそうな心をグッとこらえて登ります


▲無心で登ったからか、予想より短時間で到着。今日はもう登らなくていい!

天皇陛下も利用された赤岩八合館は決して贅沢な作りではなく、木造の小さな小屋に屋根裏まで利用した3層のベッドが作りつけられた質素な山小屋です。個室などなく、宿泊客は男女の別なく幅60cmほどに割り振られた寝床で寝みます。世界遺産とはいえ、富士山の山小屋事情はまだまだ厳しい状態で、これなどまだ良い方なのです。

各自、自分の寝床スペースに上がって明朝の登頂に必要なものと、置いていく私物を分けて荷物の整理をします。頭がぶつかりそうな2段のベッドや敷き詰められた布団の上での作業は、なんだか小学校の林間学校みたいでワクワクするのか、狭いからと文句を言う人はいません。疲れて横になりたい気持ちを抑えて準備を済ますと夕食タイム。

夕食は麓の地場野菜を使った具材たっぷりの手作りカレー。ご飯もルウもおかわり自由の食べ放題です。とはいえ、疲労困憊した状態でドカ食いできる人もいないでしょう。

夕食後は外に出て影富士を見ながら明朝のスケジュールを説明するミーティング。その後も午後7時過ぎまでベッドの上で集まって山の話などしながら過ごしました。これも、3300mという高さに体を慣らすための時間なのです。あまりすぐに寝てしまうと、睡眠時は呼吸数が少なくなるので酸欠が起こりやすくなるため、睡眠時間ギリギリまで起きて活動しておきます。

▲狭くても靴を脱いで楽になって笑顔がこぼれます

▲山頂に何を持って行くか考えながら荷物整理します

▲食事はセルフサービスで好きなだけ

▲美味しい手作りカレーライス。疲れた体にもこれなら食べやすい

▲食後は外に出てみてミーティング。ちょっと風が出てきて寒いですね

▲夕日に映し出された影富士が。独立峰の富士山は周囲に高い山がありません


第2日目

深夜1時過ぎに起床して山頂への出発準備を始めます。すでにトイレには順番待ちの行列。忙しく身支度を整えて集合場所へ。

3度目のチャレンジとなるSさん。なかなか出てきません。昨日から体調が戻らないようです。でも、登りたい気持ちが勝ったのでしょう、最後になりましたが集合場所に来て全員集合。暗い中で準備運動をして暗闇の登山道へ出発です。

今日の行程は標高差500m足らずです。低山なら高水三山やケーブルカーを使わずに御岳山に登るのと同じくらいです。でも、昨日の疲れと暗闇の登り、高度に対する不安などプレッシャーはあって当たり前です。天気は今日も良いようです。山麓部の下層と頭上の上層に雲があるものの小屋から山頂まで雲はありません。

途中1回の休憩だけで頂上部まで登れるように、ペースは超ゆっくりですが、止まらずに歩き続けること1時間半。暗闇の中から鳥居が現れ、御殿場口頂上に到達しました。体調の悪いSさんも少し遅れましたが、剣ヶ峰にも問題なく行けそうです。山頂部のお鉢巡り道は各ルートからの登山者も混ざって一気に人が増えます。

前の人とはぐれないように注意しながら浅間神社奥宮と頂上富士館の間を抜けて、環境省の「富士山頂公衆トイレ」に寄ってから剣ヶ峰に向かいました。剣ヶ峰もまだ大混雑とまでならないベストなタイミングです。

全員が無事、剣ヶ峰まで登頂し小日向講師と握手を交わして完登を喜び合いました。荷物を下ろしてそれぞれに場所を確保してご来光を待ちます。

▲寝起きの準備運動。昨日の疲れと狭い寝床でこわばった体をほぐします

▲途中たった1度の休憩。誰もが無口で荷物を整えたり、水分補給や行動食を食べたり

▲後から登ってくる登山者のヘッドランプの列と下界の御殿場の街灯りが幻想的でした

▲無事、剣ヶ峰に到着し日の出を待っています

▲剣ヶ峰まで到達した喜びと日の出を待つ期待感で疲れは忘れられます

▲体力不足と高山病を心配していたけれど無事登頂できてよかった


▲最後まであきらめずに頑張って掴んだ正真正銘の3776mの山頂です

▲山の端はどんどん明るくなってきます。でもまだ空が焼けていない

下層に雲海があるため日の出は予定より少し遅れて午前5時からとなりました。紅く染まる雲、雲海から次第に姿を表す太陽、照らし出される富士山山頂の火口壁、ご来光を見守る鈴なりの登山者たち。お互いの顔もオレンジに染まり、みなさんそれぞれの思いを胸に朝日を眺め、繰り返しシャッターを切って、カメラに思い出を収めていました。

▲次第に空の雲が紅く染まりだします。間も無く太陽が昇るのでしょう

▲その瞬間は真正面からでした

▲次第に光芒を放ちながら大きさを増す朝日です


▲人々の顔を同じ色に染めていきます

ご来光を楽しんだあとは、次々と登ってくる登山者の混雑を避けて早々に下山を始めます。剣ヶ峰の坂は砂と砂利の急勾配で、転んでズルズルと滑り落ちていく人もいる中、全員注意深く無事に下り終えました。坂の途中で突然、小日向講師が立ち止まったので何かと思いきや、朝日に浮かんだ影富士でした。

剣ヶ峰を下りたところで全員で記念写真を撮ってから来た道を戻り下山しました。

▲剣ヶ峰からの下山。何度来てもここは滑り落ちそうです

▲滑り落ちそうになりながら途中で影富士を撮影


▲下ってきた剣ヶ峰を振り返る。スキーのジャンプ台のような斜面です


▲剣ヶ峰をバックに記念写真。みんな満足げなとてもいい笑顔です


▲名残は惜しいけれど御殿場口頂上から下りにかかります


▲雲海という言葉を実感する光景です


▲陽がさしてくると暑くなり、防寒着を脱いで体温調整します


▲暗い中を登って行ったのでこんな景色だったとは知りませんでした


▲赤岩八合館に戻り、暖かい味噌汁とご飯が嬉しい朝食です。ホッとするひととき


▲朝食をいただいたあと、支度を整えて本当の下山です。やっと下りられる!?


▲大砂走りを駈け下り、小屋を出てわずか1時間足らずで馬の背に下り着きました


▲さらに宝永火口までペースよく下り、午前中のバスに乗って帰ることができました

ご来光登山から戻ってから、座ってゆっくり朝食を食べられるのも赤岩八合館の良いところです。不要な荷物を置いていけるのも、こうして戻って立ち寄れるから。ご来光を満喫するためのこういう気配りをしてくれるのは、富士山の山小屋の中でも数少ない貴重な存在なのだそうです。

登る辛さはみな同じですが、少しでも快適に、ルートも無理なく登れるから山女子クラブはこの登り方をオススメしています。混まなくて安全で快適に登れる富士山。いつかまた来たい、登りたいと思っていただける富士山になることを期待してみなさんをサポートします。

最後に、みなさん本当にお疲れ様でした。全員無事に登頂を果たして下山できたことが何よりで感謝の気持ちでいっぱいです。ご参加いただき本当にありがとうございました。

コースタイムやルートの詳細はヤマレコで!
ヤマレコ山行記録「プリンスルートから富士山でご来光!」

 

協賛:

 

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