レポート 初心者登山教室 実地講習【箱根・明神ヶ岳】山の天気・冬

1月の初心者登山教室は「山の天気・冬」がテーマ。1月最後の日曜日は箱根でも雪が降るという予報でした。午後には雪も止むとの予想で雪山体験もかねた講習会になりました。

小田原の街は雨、集合場所の大雄山駅でも雨。しかも傘をささなければならないくらいの降り。バスで登山口の大雄山、最乗寺の道了尊バス停に着く頃にはすでに白い雪に変わっていました。

最乗寺は600年の歴史をもつ関東の霊場です。天狗が開山を助けたという天狗伝説が残る境内には天狗像や天狗の下駄が数多く奉納されています。

予定していたハイキングコースは台風被害で通行止めのままだったので、境内の最奥部にある奥之院から登る尾根ルートを辿ることにしました。

はじめは植林の林で雪もほとんど積もっていませんでした。しかし、次第に高度が上がり、杉の植林から常緑広葉樹の馬酔木の森に変わると少しずつ積雪が増していきます。

雪の積もった山道はともすると滑りやすく歩きにくいと感じますが、基本の歩き方を守り、足を傾斜にフラットに置いて歩幅を小さく静かな体重移動を心がけることで、ある程度の斜度まではアイゼンも必要なく登ることができます。前の人が踏んだトレースを辿るように静かに足を置くと踏み締められた雪が支えてくれるスタンスになります。乱暴な体重移動で蹴るような足運びをすると雪が崩れ、土の斜面が露出して滑ります。足首くらいまでの積雪では靴を蹴り込むようなキックステップは効かないのです。

1000メートルくらいの標高になるとほぼ完全に雪に覆われた雪山になりました。周囲の眺望は雪雲の中にいる状態で何も見えません。かといって視界がないわけではなく、樹林帯の中に登山道の痕跡と枝に巻かれたピンクのテープがルートを示しています。幸い稜線に出ても風はほとんどありませんでした。

稜線を辿り10分ほどで明神ヶ岳の山頂広場です。ベンチには私たちが下山する予定の宮城野から登ってきたという単独の女性登山者がいました。この日、他には誰も出会うこともありませんでした。

単独の女性はすぐに下って行ってしまったので山頂広場全体を貸し切り状態で休憩しました。

風がないとはいえ標高1,169mの山頂は麓より5度は気温が低いのでおそらく0°C以下でしょう。寒いのでアスザックフーズ のフリーズドライスープをポットに詰めてきたお湯で作りいただきました。

天気が良ければここから金時山や富士山がとてもよく見えるはずでしたが、一面雲に包まれて全く周囲の景色が見えませんでした。

寒いので30分で昼食を済ませて記念写真を撮ったら下山開始です。

下山ルートは南に面する太平洋側の斜面となり、今日の気圧配置では降雪の多かったと予想されます。宮城野への下山路は傾斜も急なので、スリップしないようアイゼンを装着し下りました。

やはり積雪は15センチほどあったようで笹藪もかなり埋まっていたり雪の重みで登山路に覆いかぶさっていたり、少し歩きにくい印象でした。もうほとんど雪は止んでいました。

途中から箱根方面に強羅の温泉街も見えるようになりました。しばらく下ると明星ヶ岳へ続く稜線から岐れて宮城野への下山路に入ります。所々岩が露出していて、アイゼンを着けていると岩にガリガリと爪が当たって歩きにくいです。

高度が下がるにつれ雪も少なくなり、アイゼンも必要なくなりました。

別荘地に沿ってぬかるんだ細い登山道を辛抱強く下って下山しました。

バスに乗って箱根湯本まで下り、駅前のカフェで反省会です。地形図や天気図を広げて辿ったルートを詳細に確認したり、この季節にしては珍しい気圧配置がこの雪の原因だということや、冬の気象の特徴や雪山シーズンでも山域によって積雪量が全く違うことなどを勉強してから帰りました。

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